86164秒±○○○
前々から気にはなっていたのですが、ネットのどこを探しても、求めるドキュメントは無く、そこそこ高価な赤道儀の仕様にも謳ってない・・・。 赤道儀の仕様としては、ピリオディックモーションと同じ位、重要な項目だと思うのですが・・・。 それは、赤軸を360度回転させる時間誤差で、恒星時なら86164秒±○○○、と書かれているハズの仕様です。 この項目を書くためにはメカ(主に歯車)の加工精度と組み立て精度をどのように補償しているかが問題になります。 例えば、恒星時(86164秒)をキングスレート(86190秒)に変更する事は、パルスレートを0.3%ほど変えれば良く、プログラムを少し変更するだけで簡単に実現します。 少なくても、ステッピングモーターは計算どおり、ほぼ正確に回りますから、装置のばらつきを考える必要はありません。 (なぜ ほぼ かはここでは止めときます) しかし、歯車の加工や装置の組み立てには、必ずばらつきがありますから、生産において、バラツキを担保し、設計で求める精度で仕上げる、仕組みが必要になります。 Higlasi-1では平歯車のかみ合い基準点が0.1mmずれれば、回転比が設計値に対して0.4%の誤差を生じます。同様にウォーギヤでは0.6%、トータル最悪1%の誤差を考慮する必要があります。 1%のメカ的誤差は恒星時に対し86164±860秒です。 撮影時間を3分とするなら、この誤差は1.8秒に相当し、撮像面の星の流れは約27秒角に相当します。感覚的に、組み立て加工精度が一桁小さくないと、ピリオディックモーションを小さくした苦労が半減されます。 このメカ誤差を一桁小さく見せる現実的な方法は、私がしる限り、誤差を正確に測定し、調整する以外ありません。部品を集め、ねじ締めするだけでは求める精度は実現しません。 では調整方法は? 大手メーカーさんはどうされてるのでしょう? パートの方がメーターを見ながら、VRを回し・・・そんな方法では無理です。 (無理の理由もここでは止めときます) Higlasi-1では568889パルスで赤軸を360度回転させます。その時の誤差を測定し、その誤差を補償するパルスレートを計算で求め、プログラムのパラメータを変更し対応しようと考えています。 (ですから1台毎にプログラムは変わります) ...