2015年4月14日火曜日

お客さまからの質問・・・

お客様から
「雲台座プレートに雲台を固定するネジはなぜ中心に無いか?」
のご質問と
「回転中心にパノラマ雲台を載せたい・・・」
のご依頼を受けました。


雲台座プレートとウォームギヤの位置は上写真の通りです。
止めねじが中心にあると、締め付けトルクは全てギヤの接触点が受け止める事になります。雲台を固定するため、不用意な(仕様以上の)トルクで締めると、ギヤに永久変形や破損が起きるかも知れません。(中心を外せば、そのリスクはかなり回避できると考えます。余談ですが、ナノ・トラッカーではこの種のトラブルが多いと聞きます)
もし、ギヤの変形が1ミクロンあると、Higlasi-2では、8秒角のエラーになります。
ウォームギヤのメーカー仕様は15Nmですから、回転中心から10cm位置で約15kgと考えて良いと思うのですが、この時、どれだけの永久変形が起きるかはメーカーにもデータはありません。それだけに、慎重に扱いたいのです。回転中心から10cm位置に10kgの過負荷テスト(Higlasi-2の仕様は3.5kg)では、いつもの測定器で確認できる変形はありませんでした。
この件を十分にご理解頂けるなら、中心位置にパノラマ雲台を固定する事は難しく無いと考えております。

例えば、こんなアダプタで固定できます。



M3は回転止ピン用です。
このアダプタはエレクトリックシープさんで購入したパノラマ雲台用です。
http://www.electricsheep.co.jp/astroshop/?itemcode=bqspan01
回転止がありますから、固定に大きな力は不要です。

アダプタをHiglasiに固定します。(Higlasi-2 でも同様)
パノラマ雲台を取り付けます。


如何でしょうか?
上記パノラマ雲台以外でも取付可能だと思います。
お問い合わせ頂ければ、ワンオフで製作致します。








2 件のコメント:

九州男児 さんのコメント...

いつも楽しく記事を拝見させていただいております。
ふと気になったのですが、竜爺さんの焼嵌カラー雲台座と、市販のタップ付きくさび型セットカラーを雲台座にするのとでは、軸の固定度はかなり差があるものなんでしょうか?

竜爺 さんのコメント...

九州男児さん おはようございます。
比較テストをした事が無いので、正確ではありませんが、量産のバラ付きを考えると、検査不要の市販くさび型カラーの方が安定かも知れません。ただ、構造上、シャフトとの密着度は焼嵌の方が良いので、カラー側の穴系を正確に管理できれば、焼嵌の方が安定すると思います。