2011年3月25日金曜日

ピリオディックモーションについて

星景写真を撮るようになって、2年が過ぎようとしてます。たぶん1000枚近く撮ったと思います。
広角レンズで撮る限りでは、ピリオディックモーション(以下PM)の数値なんて気にする事はないのですが、星景写真用赤道儀に求めるPM性能について、僕なりの論理で偏見も含め、まとめてみました。

そこそこ山奥に住んでるにも関わらず、阪神間の明かりが強く、撮影時間が1分を超えると、夜空が白くなるため、多くの場合、30秒から1分前後の撮影で、数枚をコンポジット合成します。ですから実質撮影時間の最大値は2分と考えます。

ピリオディックモーションによるエラー(以下PME)の主な原因はウォームギヤの偏芯や酔歩、スラスト方向の構造的変位です。三脚や自由雲台の影響も小さくないですが、話がややこしくなるので、ここでは止めます。そのPME量を軽減する方法は大きく二つあり、一つは加工精度を上げる事、当然のように費用を含め、限界があります。もう一つは24時間で1回転するウォームホイール径を大きくする事です。でも、大きくすれば重くなるし、コストも嵩みます。星景写真用赤道儀はこれらの要素を如何に調理するかです。。

ポイントは実質撮影時間の最大値、2分の間に、PMEが写真にどれほど影響するか・・・と考えます。
ウォームホイールが大きくなると、ウォームギヤの1回転時間は短くなります。例えば、一般的に多く使用されている144歯のウォームホイールであれば10分です。PMがサイン波を画くとすれば、1/4周期(2分30秒)でざっくり最大変位するので、撮影時間2分はPMEの80%が影響します。

ところが40歯であれば、同様にウォームギヤの1回転時間は36分で1/4周期は9分ですから、2分は最大変位量の約22%となるはずです。具体的に144歯でPMEが20秒角あったとすると、2分の撮影で20秒角×0.8=16秒角影響する事になります。しかし、40歯では同様の計算で4.4秒角の影響にしかなりません。(あくまでも超大雑把ザックリ机上計算)

このザックリ5秒角前後のPME、例えば、eos60Dに200mmを付けた場合のセンサーピクセル間に相当します。(計算上4.432秒角)
8号機のPME20秒角にこだわったのは上記の理由です。

では20秒角を保証できるか?
正直、保証できる根拠はありません。機械的加工部分が多く、製品ロットのバラつき等のデータがなく、現状は無理です。
保証するとすれば、1台毎にPMEを正確の測定する必要があります。

1台毎にPMEを正確に測定・・・いろいろ考えてはいるのですが、精度5秒角以下は、やはり難しく、現実的方法に行き着いておりません。
もし、実現すれば、一台毎にPMEを補正できるようモーターの速度を制御してやれば、PM量を保証できるし、もう少し安価な部品(ウォームギヤ)が使えるのですが・・・。



0 件のコメント: