2013年9月24日火曜日

お客様からのレポート 9/25 9/26 9/27追記

http://d.hatena.ne.jp/madogiwakanbou/20130923#p1

お客様のブログから・・・。
詳細は未だ分からないのですが、アリミゾ、アリガタが原因では無い様子なので、以下のような事が考えられます。
1 ウォームギヤのバックラッシュ
2 ウォームシャフトとベアリングのクリアランス
3 ベアリングとフレームのクリアランス
4 フレームの剛性不足

詳細が分かり次第、ご報告致します。


9/25 追記
お客様からのメールより・・
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>もしかすると、ギヤのバックラッシュかも知れません。
>お手数ですが、回転角を変え、90度毎で、**さんが感じられるガタの量が変化するか
>どうかをチェックして頂けませんか?

ガタはバックラッシュではありません。ブログの写真の状態で、ボーグ微動雲台の
頭あたりを持って回転軸と直角方向に力をかけてみた、という感じです。
力の程度は文章で書くとぜんぜんわからないとは思いますが、軽く押したよりも、
もうちょっと力を入れた、というくらいでしょうか。
壊れるほどは押していないと思うのですが・・・

多少押しても動く感じが無くて、押した手に硬い感じが伝わってくる、というのが
理想だと思います。Higlasi-2Aは少したわむような感触です。

もし確認に必要でしたら、ブログの写真に写っていたボーグ微動雲台とプレートを
そのままの状態でお送りしますがどうしましょう?

ご連絡いただいたとおり、90度づつ回してやってみましたが、(手の感覚なのでいい
かげんですが)とくに同じように感じました。回転方向に関係なく、上下よりも左右方向
に押した時の方が大きいような気もします。
グラグラと書きましたが、もちろんそんなに大きく動くわけではなくて微妙かもしれません。

それでですが、やっているうちに大変なことになってしまいました。アリミゾを手で回す
と容易に空回りするようになってしまいました! ガタは最初よりもかなり大きくなっ
たような気がしますので、私がグラグラといっていた状態がどれくらいか再現できなく
なってしまいました。軸のはめ合いの問題だったのかもしれません。

ということで不良品かもしれないので、明日お送りいたします。
>推奨規格がありましたら、教えてください。
アリミゾの推奨規格はビクセン規格のものです。望遠鏡でアリミゾといえばまずこれです。
ひょっとするとご存知ないのかもしれませんが、ビクセン規格といっても規格があるわけ
ではなくて、ビクセンという会社の望遠鏡に使われているのと同じくらいの寸法のものを
適当に作っているだけだと思います。(私もあまりよくわかってません)

私が持っているビクセン製のアリミゾの寸法は、幅43mm/38mm(台形の下側/上側)、
高さ13mmくらいでした。ビクセン互換と称するミザール製は幅40mm/30mm、高さ15mmくら
いです。かなりいいかげんですね。長さはいろいろです。Higlasiのアリミゾはプレート
が入る面にネジの頭やリブが出っ張っていますが、ビクセン規格のプレートでは普通1枚
の板だけですから、出っ張りがあると入らないので、ネジの頭などは引っ込める必要が
あります。Higlasiのアリミゾと同じように、ネジで押して固定します。台形のプレート
だけで、抜け止めの機構はありません。(ご存知でしたらいちいち余計な説明でした)

いろいろ書きましたが、私も天文万年初心者なのであまりわかってないです。グラグラに
ついても、これくらいが普通で私が厳しすぎるのかもしれません。
よくわからなくなってきました・・・

それではお送りしますので、修理と、ベアリングとフレームの隙間の確認などガタの原因
のチェックをよろしくお願いいたします。
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ガタは現時点その詳細は分からないのですが、
ショックだったのは、はめ合い部のトラブルです。はめ合い部はHiglasi2より、製作方法を変えました。当初、全品を検査し、回転軸から10cm位置で10kgのトルクをかけ、空回りしない事を確認していたのですが、30台を超えたあたりで、不良品はゼロだったのでこの検査を廃止しました。次回生産から再開します。購入頂いたお客様はご心配かも知れませんが、組みあがった状態で仕様値(破壊荷重8kg)以上の無理なテストは止めてください。ウォームギヤに変形が生じると性能が出なくなります。


購入した製品に不具合があるにも関わらず、これだけのレポートをくださる・・・。つくづくお客様に恵まれていると、、感謝です。





9/26 追記
返送されたHiglasiをチェックしました。
問題は①空回り ②グラグラ感


弊社の完全な製作ミスです。
http://jp.iloctite.com/ja/loctite-641-660-635-638-680-620-668-603-609-648-retaining/17
この接着剤の接着条件は満たしているのですが、NGとなりました、もう少し、研究が必要です。
今後は当初実施していた通り、全数検査を致します。

② アングルを付けない状態では認識できなかったグラグラ感は有ります。
分かり難い写真ですが、Higlasi-2を万力で固定し、お客様からお預かりしたアングルを取り付け、雲台ステージから190mm位置で水平に2kgのストレスを加えると、0.1mm変位しました。この値をどのように評価するかはこれから考えます。

9/27 追記
空回りしたカラーとシャフト現物に、これまでと同じ条件で接着し、シャフトとカラーのはめ合い限界テストをやってみました。

結果:
接着後15時間
回転中心から200mm位置、5kgでの引っ張りテストで、はめ合い限界には達しませんでした。
(100mm位置換算で10kg)
同様に290mm位置では4.5kgで締め付けビスがスリップを始めましたがはめ合い部の限界には達しませんでした。
これは、仕様の100mm位置換算で13kgに相当し、この工作方法で問題は無い事を確認しました。










2 件のコメント:

MASA さんのコメント...

不具合の報告があったということで、早速うちの2Aで確認をしてみました

私も台座にFEISOL パノラマ雲台 PB-70 Panning Baseを載せてその上にさらにスリックの並行プレートを介して、両端に自由雲台で2台のカメラを設置するというかなり負荷がかかる使い方をしています

赤経軸をフリーに回転させるためにパノラマ雲台を介している関係で、雲台2台、カメラ2台の重量は本体から軸の延長方向にかなり離れた位置にかかっているはずですが、軸や台座のガタは感じられません

一方軸の回転方向への荷重は2台の雲台位置を調整することで相殺されパノラマ雲台をフリーにしてもほぼバランスしています

竜爺さんの保障する破壊荷重8㎏は回転軸から直角方向に10cmの位置で回転方向にかかる荷重を現すと思われますが、バランスが取れているので回転方向の荷重はキャンセルされています

ただ、問題は軸延長方向の荷重ですが、これも本体或いは台座から10cm離れた位置で8kgを保証する趣旨でしょうか?

軸延長方向の負荷は回転のバランスと関係なく、プレート、雲台、カメラなど機材全体の重心位置が本体から離れれば離れるほどきつくなるはずですので、報告者様のボーグ製片持ちフォーク雲台はさらに条件が厳しいのかも知れません

現物での原因特定をお待ちしています

竜爺 さんのコメント...

MASAさん おはようございます。
コメント、ありがとうございます。

>ただ、問題は軸延長方向の荷重ですが、・・・
正直に書きます、考えた事がありませんでした。Higlasi 本体にはねじれが生じるわけですね。8kgで壊れる事は無いと思いますが、何ミリ変位するか・・・どうやって評価するか・・・・少し考えてみます。
後ほど、僕が考える(スタンダードが無いので)搭載荷重、破壊荷重につきて書きます。