2015年8月29日土曜日

重箱の隅を・・・・(苦笑 8/29 9/1 追記

匿名さんから・・・
星像の大きさを10 シーイングを10とした場合、見かけの星の太りは
両者二乗和の√である・・・主旨のコメントを頂きました。
この考え方に少し違和感を感じ、妥当性があるかどうか悶々としてたのですが・・・・
僕なりの解決のため
甥っ子に以下のモデルでシミュレーションをお願いしてみました。

±2.5σが10mmの空間内に正規分布するゼロ次元光点が10000個ある。
(つまりシーイングの無い星像)
その各光点は±2.5σが10mm内で正規分布する10000ポイントで揺らぎぐとする
(つまり、シーイング)

結果
緑が星像、赤が見かけの星って事になります。
赤部が潰れてしまい、内容が分からないので、分布図を作成すると・・・・
写真に影響があると予想される部分を3000個以上とするなら(あってるかどうかは不明)
グラフより±7近辺で・・・・
匿名さんのコメント 二乗和の√  納得致しました。。。

ただし、1個の星の明るさが、フィルム面上で正規分布しているかどうかは不明。。


8/29 松山市のお客様から・・・
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考え方としては下記のようなことですね。
星像径はエアリーディスクでなくて、適当な数値で決めうちしてもいいです。
計算時には直径・半径に注意して下さい。

[エアリーディスク(半径)]
1.22*Fn*0.55
 ↓
[半値幅]
ディスク径+2*PI()*焦点距離*(シーイングサイズ/60^2)/360*10^3
 ↓
[全幅]
SQRT((ディスク径*2)^2+((2*PI()*焦点距離*(シーイングサイズ/60^2)/360*10^3)
*2)^2)

[シーイングサイズ]
星像は点像分布関数で表されます。
これは正規分布を回転させた形として近似することができます。
正規分布の半値幅をシーイングサイズとしています。

ついでに参考画像です。
実際に撮影した恒星の断面プロット、それを回転させたものと3D表示です。
極端に飽和させるとか、ズレブレや収差の影響等が強く出て無ければ、きれいな
形でないにしても、像面上でも概ね正規分布に近似してると思いますよ。


9/1 追記 入間市のお客様から・・・
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おはようございます


このところのブログの話題は勉強になりますね
理論と実践の併記で大変参考になります

こちらは全く晴れ間がないので、星を見れない日々ですが、Higlasi2+3でのオートガイ
ドに備えて、あれこれ妄想をしています

そんな中、2軸Higlasi3オートガイドの精度についてブログ記載の理論を当てはめて考
えてみました

前提としたのは、最小ステップ角4″を限度として両軸ともPHD2で設定を追い込んだ場
合です

PHD2はサブピクセルまでの精度でガイド可能ですが赤道儀の制約で、完全に設定がうま
くいっても、±2″のガイド精度しか出ないことになります

ですので竜爺のガイド機材でいえば、min.moは0.5程度にして、ズレが2″位で修正が入
るようにして、過修正に寛容にするためHysは上げておくことが適当と思われます

このことがポタ赤として支障となるかどうか考えてみました

私がポタ赤で運用したいと思う焦点距離はf300mmくらいまでですので、そのケースで考
えました

EOS X6iに300mmレンズF4での撮影を想定したとき

1px=4.3μm=3″弱
エアリーディスク=5.37μm=3″強(F4の場合)

エアリーディスクが1pxを超えるので、星像は少なくとも近接した2px×2pxで表現され
る(場合によっては3pxにまたがる?)

∴理想的な光学系とX6iでの最小の星像は撮像面で6″四方で表現される
(明度の濃淡はあるかもしれませんが、天体写真は強調処理前提ですので、階調差は考
慮しないこととします)

ここで撮影時シンチレーション5″とします
するとシンチレーションで肥大した星像は(6×6+5×5)の平方根で7.8″で約8″程度の
大きさとなる

さらにガイドエラー±2″(Higlasi3のオートガイド限界精度)の場合

ガイドエラーで肥大した星像の直径は(8×8+4×4)の平方根となり8.9″で概ね9″程度
となる

つまり、星像の直径は
理想的条件・光学系で撮影:6″
シンチレーションあり:8″
Higlasi3で2軸ガイド:9″

オートガイドで使えるかどうかの判断は、この8→9″への星像肥大を許容するかどうか
、ということになると思います

ただ、上記はレンズがほぼ無収差の場合です

ですから現実には元の星像も6″に収まることはないでしょうから、撮影画像も8″とか
9″よりは肥大して写るはずです
まして、実際には明るい星ほど収差や回折環の影響で星像が肥大するので、仕上がりで
の見た目はほとんど変わらないでしょう

もちろん上記は机上の計算に過ぎませんので、実際にはここまでドンピシャでの運用も
出来にくいし、設定するには細かいステップが刻めるに越したことはないですが、Higl
asi3の2軸オートガイドはできないわけでもないと思われます

現に竜爺さんの試写では星は丸く写っていますし、私としてはあの試写結果なら十分OK
です(笑)



3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

星像のシミュレーションはその通りです。
こういうのって理論に偏重しているわけではなくて常識的なことなので、しっかり把握してから実践しないと実践結果の解析が曖昧になってしまうと思いますよ。
星像だけでなく、たとえば天体望遠鏡の色収差と球面収差の関係も同じです。片方が1/3以下なら無視してしまいます。高校で習うと思います。

要するに、他の要素と重なって星像などが形成される場合、二乗和の√になるので要素同士が同じ程度だともっとも良くないということです。「同じ程度だとお互いの悪影響が少ない」と他先入観から早合点してしまう人が多いですが、そうではないということです。

物理的な理屈は抜きにしても追尾はある程度は細かくないとトラブルのもとです。
追尾の修正の場合、赤経は一定方向に回るイナーシャーがあるので、ステップは粗くても助かることが多いですが、赤緯はステップの粗さをまともに喰らいます。higlashiが1-2相励磁であれば、ステップ差も如実に現れるはずです。
一つ前のブログに公開してくださったグラフを拝見すると、赤緯の修正が大きく上下しています。この感じだと2倍細かいステップにしても未だ足りなくて、やはり15PPS程度は必要ではないでしょうか?

竜爺 さんのコメント...

匿名さん そろそろお名前を頂けませんか(笑
50件近い匿名スパムの中から、ちゃんとしたドキュメントを見つけるのは・・・・(汗汗
どっかでも書きましたが、Higlasi2Bを赤緯ユニットとして販売する事は考えておりません。
基本コンセプトは「登山用ポタ赤」です。
40歯4PPSのポタ赤(Higlasi-2B)を赤緯に使ったらどうなるかの好奇心でやってみた事です。
このテストで僕にとっては十分すぎる情報を得る事ができました。
奇跡の1台かもしれませんが、オートガイドによる追尾性能は想定以上でした・・・(笑


星爺 さんのコメント...

名前ですか? では今回からコメントすることがあれば「星爺」で書かせていただきますね。
私の「SB工房」というサイトではポタ赤などを販売してるし、「星爺から若人へ」というブログもやってますしね。そこを見ていただくと全てがつまびらかになりますし。

市販のウオームギヤセットを使って、うまい具合にポタ赤を作れたのは竜爺さんだけですよ。
Pモーション測定器を持っているから、良い組み立てができて、作れたのだと思います。心から応援していますので、これからも頑張っていただきたいと思います。

日周運動のPPSについては、40年近く前に徹底的に検証しました。
眼視観察用には絶対大丈夫なのが60PPSで、たぶん大丈夫なのが30PPSといった感じでした。メーカー製には24PPSが多いですが、これでも、まず大丈夫。あるメーカーさんが16PPSにした時代に見え味がおかしくなって粗さが問題になりました。PM型モーターで最高速を競うためにお基本の日周運動周波数を落とし過ぎた妙な時代の負の歴史ですね。
最近はマイクロステップを細かくできるので、一転して「200PPSです。!スゴイでしょ!」なぁんて細かさを競うインフォメイションを一流と思われるメーカーもしているのには笑ってしまいます。まぁ、意味のない数字にこだわりを持ったり、やり過ぎちゃって負の歴史を作ったり、そういうのがプロ用の存在しない天文機材の楽しくて間抜けな部分です。私はそういうのが好きです。

星野撮影用には、広角なら1PPSでも大丈夫です。これだと1秒間に15″動きますね。15″(±7.5″)はちょっと甘目の古いカメラレンズの300mm望遠の許容範囲ですから、200mmなら追尾している感じに見えるでしょう。
ただし、オートガイドするとなると、1回のスイッチONで4″動いてしまうのは使いにくいはずです。

しかし、最近はカメラ用望遠レンズの甘さと重さに愛想を尽かして、星像がひじょうにシャープなフローライトなどの望遠鏡を望遠レンズの代用にする人が増えました。こうなると、今までの追尾許容範囲では追いつかず、2倍ほど厳しく定める必要が出てくると思います。
そうやって得られた画像をPC画面でどんどん拡大して楽しむ(googleマップの影響か?)ので、鑑賞距離から求めた旧来の追尾許容範囲は、通用しなくなりつつあります。
全く逆に、甘めの望遠レンズをテレコンで2✕などすると、今回の二乗和の√ にテレコンのボケの二乗が追加されて、焦点距離が長くても追尾誤差がほとんど目立たなくなったりします。