2012年8月24日金曜日

フラグシップな Higlasi

フラグシップなHiglasiを作ろうと、CADを立ち上げ、Higlasi-1Aの図面を開き、ながめて・・・。


先ず、
ウォームホールに接続するシャフトの太さを決めなければと考え・・・。
・・・で、太いにこした事は無いのですが、その根拠は?の疑問。
さらに積載重量は?
・・・で、
これから作ろうとしているのは、あくまでも、カメラ用三脚に乗せて使用するポタ赤ですから、フラグシップと言えども、3kgまででしょうと考え、写真の様な測定をしました。


・ Vブロックに8mmのシャフトを載せる。
・ Higlasi-1A 用の雲台座、雲台ステージを取り付ける。
・ 標準的な自由雲台にカメラの重心位置に溝を刻んだ測定用シャフトを取り付ける。
・ バネ測りで3kgの荷重をかける。
・ Vブロックから23mm位置をダイヤルゲージで変位を測定する。

結果:
変位は28μm でした。
ですから、シャフトの変位角はだいたい atan(0.028/23) = 0.070 deg  です。

この数字の意味する事は、単純に考えれば、最悪の角度(シャフトに対し直角、つまり、赤道上)で、3kgのカメラ機材を搭載し、雲台や三脚、赤道儀筺体の剛性による変位をゼロとした場合、4分の追尾で生じるエラーが最大4.4秒角って事です。

しかし、実際には、この3kgの機材でDPPAし極軸を決定する理由ですから、シャフトの変位角はDPPA後の機材の重心移動による、シャフトに掛かる重量変動で計算すべきです。
その場合の計算をどうすれば良いか難しいですが、どんなに多く見積もっても、シャフトに掛かる重量変動は1Kg以下でしょうから、その場合の追尾エラーに於ける影響は同様に計算して1.4秒角以下だと推測できます。

この結果だけで判断するなら、ポタ赤カテゴリーの赤道儀はシャフト径8mmでOKって事になります。
今、シャフト径10mmを持って無いので、測定できませんが、近日中に比較テストをやってみます。




2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

お久しぶりです。
さーすが竜爺さん! 何事も根本からテストして綿密にお考えですね!
物作りは、こうでなくっちゃいけません!

極軸のシャフトの径は赤道儀の強度には、あんまり関係ないと思いますよ。
1950年代の後半にアメリカで出た天体望遠鏡の自作本に「自転車のハブ軸」を極軸にする案がありました。けっこう流行ったようです。
私も半世紀前くらいに(笑)試したことがあります。数年前にも買ってみました。ポタ赤にはもったいないほど頑丈ですよ。

ハブの軸は8mmくらいだったと思います。ベアリングは普通のラジアルでかなり安っぽい物です。
それでも強度/精度は自転車のそれです。極軸にしてもなんら問題はないと思います。
要するに「設計の要領の良さ」です。自転車は長年の歴史でこなれていますね。

極軸が太い赤道儀は、テキトーに設計しても、勢いで他の部分も強度の増す大きさになるし、ベアリングも大型になるとか、はあると思います。
極軸の太い赤道儀は、おおむね高級品だから、全体的に丁寧に作るとかですね。

竜爺 さんのコメント...

匿名さん、こんばんは お久しぶりです。
Higlasiでフラグシップらしきモノを作るには、技術的に解決しなければならない事がいっぱいあるのですが、その前にできるところからと思い、最初は10mmと決めていたのですが、その根拠が怪しく、測って見ました。
Higlasi-1Aの時はザックリこんなモノでしょうと決めたシャフト径ですから、今回は、一つ一つ、ゆっくり楽しみながら作って行こうと考えております。
僕の所有している測定器ではなかなか正確な値を得られないのですが、カメラ機材の追尾による重心移動で最も大きな変位は感覚的ですが三脚だと考えています。でも、安価な三脚でも、意外と追尾エラーは大きくなりません。たぶんこの変位の多くは、極軸に対して並行なのでは無いかと・・・、そこらあたりを正確に把握したいですね。正確な3次元変位計でもあればな~・・・と(苦笑