2013年7月2日火曜日

ピリオディックモーション測定治具

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お陰さまで、10万ページビュー? ・・・ ありがとうございます。
(中央の突起はブログのデザインを変えた時でウソっぽいので止めました)
アクセス数の最大ページは「ピリオディックモーション測定治具」 で皆様の関心の強さを感じます。そこで以下では少し改造したピリオディックモーション測定治具についてご報告致します。

治具+検査中のHiglasi-2A
Higlasi-2A の駆動系は 0.9deg のステッピングモーターを 1/16 マイクロステップで運転し、16歯と44歯のプーリーをベルトを介し、60歯のウォームホイールに伝えます。
ですから、ウォームホイールを 360deg 回転させるための駆動パルス数(以下パルス数)は
360/(0.9*1/16*1/60*16/44) = 1056000 ・・・・・①
です。

Higlasi と治具は 72:20 のプーリーをベルトを介し結合します。
ロータリーエンコーダーは 0.5deg タイプですから、Pモーション評価最小回転角は
0.5/(72/20) = 0.1388・・deg  です。

①より、0.1388 deg 間のパルス数は
1056000*0.13888/360 = 407.405 ≒ 407     1パルスは1.227秒角・・・・②
1.227秒角はHiglasi-2Aの最小回転角です。

Pモーションエラーがゼロの場合、407パルスでウォームホイール(赤経軸)は 0.13888deg 回転し、ロータリーエンコードは 0.5deg 回転します。

Pモーションエラーは角速度の揺らぎで、駆動パルス数に対する回転角設計値との誤差ですから、ロータリーエンコーダー からの1周期パルス時間のステッピングモーター駆動パルス数を Pc とすると、②より
(407 - Pc)×1.227(秒角)  に近似します。

この測定器の限界
精通されている方はお分かりだと思います。
この方法で得られる値はPモーションエラーの真値ではありません。
赤経軸が 0.13888deg(500秒角) 回転する間の平均値にすぎないって事なのです。。
追尾33秒間(500秒角)の平均値にどれ程の意味があるのかは、分かりませんが、この装置を使い、これまでに100台近いHiglasiを検査してきました。
この装置から出力される波形の意味を理解するために、波形パターンが変わる毎に実天体でPモーションを測定し、傾向は分かるようになりました。

例えば

測定値は合格ラインに入ってますが、4分毎の実写(200mmAPS-C1800万画素)では、数ピクセルの範囲でバタバタ揺れる事が多く、このパターンは不合格とします。


同じ様に作っても、これだけの個体差があります。(実に面白い?)
この波形が得られれば、多くの場合、安定な追尾をします。
Y軸の25に出ている波形は多くの場合ノイズで、同じ場所をトレースして再現が無ければ合格としますが、たまに、ホイールギヤの傷だったりします。
他にもパターンはあるのですが、それは製造ノウハウとして・・・(笑

また、全周を同様に評価します。
データー数は2600を超えます。

出荷する Higlasi も30%程度を実天体で確認はしているのですが、それはPモーション2~3周期程度で、ウォームホイール全周をチェックしているわけではありません。また、荷重によってもPモーションエラー値が変化する事を確認しております。
なかなか傾向を具現化できる再現性のいいデータも取れず、Pモーションエラー値に関しては明確な保証値を書く事ができず、製造者として、気持ちは良くないのですが、仕様書に記載している値はあくまでも参考値としている理由はここにあります。

参考:
http://ndl2000.sakura.ne.jp/sekidougi/p-motion_jigu_00.htm
http://ndl2000.sakura.ne.jp/sekidougi/p-motion_jigu_02.htm
















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