日々のうだうだを・・・
>ウォームギヤのバックラッシュがプレートの端では拡大され気になります・・。天体は無限遠ですから、カメラの平行のブレは星像に影響せず、傾き(角度)のブレだけが影響します。したがって、バックラッシュの影響は、大きなプレートの端でも極軸の中央でも同じです。星野写真はカメラや雲台装着部などの傾きのブレがもっとも心配です。一般撮影用のアクセサリーは「普及しているのだから実績があるのだろう」と思うと大間違いで、望遠レンズの星野撮影には傾きのブレを誘発する不十分な製品が多いです。たとえば、クイックシューは便利だし、ベルボンやアルカスイスタイプなら安価なニセ物も出回っているので使いたくなるのですが、不便を承知でもなるべく複数のネジでガッチリ固定した方が良いですよ。
匿名さん今の構造ではどうしようもないのですが、プレート無しでは気にならなかったバックラッシュガタがプレートを付けると、もう、ガタガタ、数分の撮影にはほとんどその影響は無いのですが、なんか、カッコ悪いんです(苦笑昨夜も雲が多く、テストできませんでした・・。
バックラッシュを増やして緩めに組んでおかないと精度が上がらないので、困った問題ですね。小型で歯数の少ないウオームホイールはバックラッシュが大きくなりがちですしねぇ。前便のように平行のブレは関係ないので、見た目ほど悪影響はないのですが、バックラッシュが多いとユーザーさんは気にするでしょうね。それに風が強いとバックラッシュ部が動きやすいですね。市販の赤道儀にもけっこうバックラッシュは多いのですが、グリス(潤滑よりも充填材的なもの)で誤魔化したり、各部の精度が高くないので、あちこちきしんだり摺れたりして目立たないだけなんですよ。よけいな物を付けないでベアリング軸受けで高精度に作ると、バックラッシュが目立つようになってしまいますね。
匿名さんウォームホイールの偏心をたぶん5um以下に加工できれば(トライ中)、プレートを付けた状態でも、気にならないくらい調整はできるのですが、環境変化に対するリスクが高過ぎるような気がして・・・。
ウオームホイールやウオームスクリューの偏心による圧力変化(場合によってはモーターが停止するほど渋くなることもある)を防止するために、海外の赤道儀ではウオームスクリューをバネで押すなどしている製品があります。スムーズに回って快適ですが、この部分のミソスリ運動でPモーションが非常に大きくなってしまうんですよね。写真撮影用の赤道儀には投入できない便法です。精密に作るしか手はないと思います。環境変化のリスクで一番問題なのが温度変化による金属部の膨張/伸縮ですね。竜爺さんのウオームホイールはネズミ鋳鉄製ですか? 超小型の赤道儀なので問題ないと思いますが、アルミボデーに比べてウオームホイールは線膨張係数が小さいので、計算上は温度が下がるとウオームスクリューのアタリが強くなって、回転は渋くなりますね。実際は大きな赤道儀でも、金属同士の膨張係数は無視されて作られています。冬になると動きが渋くなって最後には固まってしまう赤道儀も多いです。膨張のことなど考えていないんでしょうね。グリスが固くなるから冬は回転が渋くなる、という見解が多いようですが、本当は金属の膨張の違いによるものです。赤道儀の大きなピラーの中にサーモスタット付きの温風器を入れている人もいます。当然ですが劇的な効果があるようです。
アルミの線膨張係数は23×10の-6乗で鉄 は11.8×10の-6乗です。したがって、竜爺さんのウオームホイルが40歯でモジュール1なら半径20mmですから、温度差40度の膨張は以下の計算になります。アルミ(23×0.000001)×20×40=0.0184mm鉄(11.8×0.000001)×20×40=0.00944mmこのときのアルミと鉄との伸縮の差は、0.0184-0.00944=0.00896mmつまり9/1000mmくらいですね。気温20℃のときに5/1000mmの精度で加工すると、気温-5℃くらいで固まってしまう計算になります。アルミボデーと鉄のギヤの組合せは思ったよりも厳しいですね。ちなみに普通の赤道儀はウオームホイールの半径は35mmくらいですが、真鍮製が多いです。真鍮の線膨張係数は18×10の-6乗くらいなので膨張に対しては鉄よりもずいぶん有利となりますね。何から何まで全部同じ金属で作れば、膨張を気にしなくて良くなります。そうも行かないでしょうけど。
匿名さんありがとうございます。材質はホイールが真鍮で、ウォームギヤがSCM440(クロモリ鋼)です。モジュールは0.8です。ですから、鉄と真鍮の組み合わせに近いと思います。>赤道儀の大きなピラーの中にサーモスタット付きの温風・・・そんな事まで・・・そうだとするなら、サーモスタットなんて、前世紀の部品なんて使わないで、IHで全体をふんわり温めた方が良さそうですね(笑たぶん熱効率はIHの方が良いかも・・・。
ウオームホイールは真鍮でしたか!よかった!ウオームギヤ(スクリュー)の直径はけっこう大きいと思いますが、それでも温度差40℃で5/1000mmくらいしか変わらないので大丈夫そうですね。赤道儀のウオームホイールが300mmくらいに大きくなると、真鍮や燐青銅でもアルミ製の本体に対して、温度差40℃だと0.04mmも伸縮差が出ます。その他ベアリングケースと鉄のベアリングの伸縮差とか、極軸などの伸縮とか、いろいろ生じるので大型赤道儀は寒冷時には、あちこち渋くなってしまいます。膨張に関係ある部分だけ同じ金属にするとか、逃げ部分を作っておくとかで簡単に解決することなんですけど、気が付いていないのか、しらばっくれているのか、やらないんですよねぇ。私は正直、呆れています。温風器というのは、家庭用の電気ストーブで5000円くらいで売っています。これをピラーの中に置くというアイデは簡単で良いと思います。そんなことをしなくてはならないという状況は情けないですが。
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8 件のコメント:
>ウォームギヤのバックラッシュがプレートの端では拡大され気になります・・。
天体は無限遠ですから、カメラの平行のブレは星像に影響せず、傾き(角度)のブレだけが影響します。したがって、バックラッシュの影響は、大きなプレートの端でも極軸の中央でも同じです。
星野写真はカメラや雲台装着部などの傾きのブレがもっとも心配です。
一般撮影用のアクセサリーは「普及しているのだから実績があるのだろう」と思うと大間違いで、望遠レンズの星野撮影には傾きのブレを誘発する不十分な製品が多いです。
たとえば、クイックシューは便利だし、ベルボンやアルカスイスタイプなら安価なニセ物も出回っているので使いたくなるのですが、不便を承知でもなるべく複数のネジでガッチリ固定した方が良いですよ。
匿名さん
今の構造ではどうしようもないのですが、プレート無しでは気にならなかったバックラッシュガタがプレートを付けると、もう、ガタガタ、数分の撮影にはほとんどその影響は無いのですが、なんか、カッコ悪いんです(苦笑
昨夜も雲が多く、テストできませんでした・・。
バックラッシュを増やして緩めに組んでおかないと精度が上がらないので、困った問題ですね。小型で歯数の少ないウオームホイールはバックラッシュが大きくなりがちですしねぇ。
前便のように平行のブレは関係ないので、見た目ほど悪影響はないのですが、バックラッシュが多いとユーザーさんは気にするでしょうね。
それに風が強いとバックラッシュ部が動きやすいですね。
市販の赤道儀にもけっこうバックラッシュは多いのですが、グリス(潤滑よりも充填材的なもの)で誤魔化したり、各部の精度が高くないので、あちこちきしんだり摺れたりして目立たないだけなんですよ。
よけいな物を付けないでベアリング軸受けで高精度に作ると、バックラッシュが目立つようになってしまいますね。
匿名さん
ウォームホイールの偏心をたぶん5um以下に加工できれば(トライ中)、プレートを付けた状態でも、気にならないくらい調整はできるのですが、環境変化に対するリスクが高過ぎるような気がして・・・。
ウオームホイールやウオームスクリューの偏心による圧力変化(場合によってはモーターが停止するほど渋くなることもある)を防止するために、海外の赤道儀ではウオームスクリューをバネで押すなどしている製品があります。
スムーズに回って快適ですが、この部分のミソスリ運動でPモーションが非常に大きくなってしまうんですよね。写真撮影用の赤道儀には投入できない便法です。精密に作るしか手はないと思います。
環境変化のリスクで一番問題なのが温度変化による金属部の膨張/伸縮ですね。
竜爺さんのウオームホイールはネズミ鋳鉄製ですか? 超小型の赤道儀なので問題ないと思いますが、アルミボデーに比べてウオームホイールは線膨張係数が小さいので、計算上は温度が下がるとウオームスクリューのアタリが強くなって、回転は渋くなりますね。
実際は大きな赤道儀でも、金属同士の膨張係数は無視されて作られています。冬になると動きが渋くなって最後には固まってしまう赤道儀も多いです。膨張のことなど考えていないんでしょうね。
グリスが固くなるから冬は回転が渋くなる、という見解が多いようですが、本当は金属の膨張の違いによるものです。
赤道儀の大きなピラーの中にサーモスタット付きの温風器を入れている人もいます。当然ですが劇的な効果があるようです。
アルミの線膨張係数は23×10の-6乗で鉄 は11.8×10の-6乗です。
したがって、竜爺さんのウオームホイルが40歯でモジュール1なら半径20mmですから、温度差40度の膨張は以下の計算になります。
アルミ
(23×0.000001)×20×40=0.0184mm
鉄
(11.8×0.000001)×20×40=0.00944mm
このときのアルミと鉄との伸縮の差は、
0.0184-0.00944=0.00896mmつまり9/1000mmくらいですね。
気温20℃のときに5/1000mmの精度で加工すると、気温-5℃くらいで固まってしまう計算になります。
アルミボデーと鉄のギヤの組合せは思ったよりも厳しいですね。
ちなみに普通の赤道儀はウオームホイールの半径は35mmくらいですが、真鍮製が多いです。真鍮の線膨張係数は18×10の-6乗くらいなので膨張に対しては鉄よりもずいぶん有利となりますね。
何から何まで全部同じ金属で作れば、膨張を気にしなくて良くなります。そうも行かないでしょうけど。
匿名さん
ありがとうございます。
材質はホイールが真鍮で、ウォームギヤがSCM440(クロモリ鋼)です。モジュールは0.8です。ですから、鉄と真鍮の組み合わせに近いと思います。
>赤道儀の大きなピラーの中にサーモスタット付きの温風・・・
そんな事まで・・・そうだとするなら、サーモスタットなんて、前世紀の部品なんて使わないで、IHで全体をふんわり温めた方が良さそうですね(笑
たぶん熱効率はIHの方が良いかも・・・。
ウオームホイールは真鍮でしたか!よかった!
ウオームギヤ(スクリュー)の直径はけっこう大きいと思いますが、それでも温度差40℃で5/1000mmくらいしか変わらないので大丈夫そうですね。
赤道儀のウオームホイールが300mmくらいに大きくなると、真鍮や燐青銅でもアルミ製の本体に対して、温度差40℃だと0.04mmも伸縮差が出ます。その他ベアリングケースと鉄のベアリングの伸縮差とか、極軸などの伸縮とか、いろいろ生じるので大型赤道儀は寒冷時には、あちこち渋くなってしまいます。
膨張に関係ある部分だけ同じ金属にするとか、逃げ部分を作っておくとかで簡単に解決することなんですけど、気が付いていないのか、しらばっくれているのか、やらないんですよねぇ。私は正直、呆れています。
温風器というのは、家庭用の電気ストーブで5000円くらいで売っています。これをピラーの中に置くというアイデは簡単で良いと思います。
そんなことをしなくてはならないという状況は情けないですが。
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