2014年12月22日月曜日

Higlasi-2の作り方  更新:20150123

Higlasi-2の在庫が無くなりました。
ありがとうございます。
写真は今年最後出荷待ちの2台です。
不思議な事にこの2台の嫁ぎ先は神奈川県藤沢市なんです。
ご注文を頂いた日も1日差。
お友達?藤沢市で何かあったのでしょうか??(笑


1月生産の過程を以下にご紹介致します。


----------------------------------- Higlasi 2の作り方 更新:20150123

1.雲台座カラーの製作
1-1 φ30mmの真鍮棒を約15mmにカット
1-2 10mm マイナス10~20μmのばか穴を開ける(旋盤加工)
1-3 ベアリングとカラーの干渉を防ぐ目的で、接触面に対し0.3mmの凸を付ける

1-4 焼嵌(真鍮の温度は500~700℃くらい?)
余談:この方法にたどり着くまでに、ねじ止め、ねじ込み、圧入、接着・・・と随分寄り道し、お客様にご迷惑をおかけしました。
シャフトの材質:SUJ2 高周波焼入 Φ10mm
1-5 シャフトと雲台座面の垂直出し


1-6 Φ18 120deg振分 9mm 深穴
型紙治具でセンタポンチし手動での穴開けなので、現状精度は最悪0.3mmくらいになります。
余談:いずれはこれ(NCフライス)を使いたいのですが・・・。

1-7 M4 タッピング

1-8 シャフトに平面加工(ウォームホイールの固定ネジ用)

深さ 0.8 mm
2.市販ウォームギヤ追加工
2-1:20mm 30mmにカット
余談:この作業、外注さんに問い合わせたら、一箇所¥2000也の見積。
仕方なく旋盤購入となりました。
当初、バイトの研ぎ方も分からず、初めて使うトルクの無い旋盤は一本突っ切るために10分もかかっていたのですが、今は1分もかかりません、巧くなりました(笑

3.市販ウォームホイール追加工
3-1 φ8 --> φ9.5

3-2 生爪+偏芯±10μm以下でチャッキング
最大偏心量と位置を記録

3-3 φ9.5 --> φ10 

3-4 シャフトを固定した時、最も偏心量が小さくなる位置に穴あけ、4mmでタッピング
余談:この作業でいっぱいタップを折、ウォームホイールをダメにしました。
教訓:特に切削工具はケチるな!

3-5 中ぐりでタッピングバリを取ります。



4 底板の追加工
4-1 角部の肉取

4-2 ESエディションの追加工(モーターの逃し)

4-21 ESエディション

4-3 識別番号
余談:当初シリアル番号だったのですが、今は個体識別番号で、数字に大きな意味はありません。この作業、下手です。。


5 タイミングプーリーの追加工
ミスミ製
余談:アルミ材は粘りが強く、穴あけタップは以外と難しい。ボール盤は使わないのはそのためです。

5-1 穴開け




5-2 M3タッピング


6-1 ウォームカラーの切出 15mm
 余談:これは簡単

6-2 つまみの追加工
スカート部を切り落とし(旋盤)、穴を拡張(ボール盤)。

7 基板の部品実装
7-1 Higlasi-2A
左から裏面、表面、生基板
 7-2 Higlasi-2C
コネクタはオートガイド用

7-3 基板の調整
恒星時モーターの駆動パルス  12.252pps±0.003 を確認。
最大誤差 0.22秒角/分(キングスレート時)
余談:調整が必要だった事はありません。

7-4 LCD基板の加工
基板は秋月製
余談:どうしてもバックライト付が欲しく、基板は秋月、LCDはストロベリーです。
(秋月でバックライト付を販売してほしいのですが・・・)

7-5 LCD実装
バックライト付LCD基板はStrawberry Linux 社製
余談:LCDのガラスは簡単に壊れる。Higlasiで最も不良率が高い。。

7-6 バックライト素子への配線とコネクタ実装

8 軸受け組立
8-1 ベアリング圧入接着、基板用間座取付

8-2 ウォームホイール取付

8-3 偏心位置の確認

余談:ここの偏心量はバックラッシュとして現れます。
ピリオディックモーションエラー量には影響無いのですが、製品としては気になるところです。バックラッシュのガタは人にもよりますが、繊細な方では10ミクロンあたりから分かります。しかし、このガタを全周にわたり10ミクロン以下に調整する事は現実的ではありません。(所有する旋盤では不可能)30ミクロンもあれば、カタカタ音がし、大丈夫?って感覚になりますが、バックラッシュの角度は200秒角程度です。
仕様は360秒以下ですが、0〜100秒くらいには調整できているハズです。

9 フレーム
9-1 ウォームギヤ取付

9-2 軸受取付
余談:ギヤの噛み合わせ調整は超難儀です・・。
新品のギヤは表面の凹凸が酷く、求める柔らかさでスムーズに回転する事はありません。先ず、硬めで噛み合わせ、グリスをたっぷり付けて数日エージングします。その後の再調整でNGならグリスを変え、さらに数日ゆっくりエージングし、合わせ込み、ピリオディックモーション測定器で性能を確認します。。
8-3で偏心を考慮し固定位置を変えても、回転位置によってバックラッシュ量が変わります。納得がいかない場合は、3-4からやり直します。
懺悔:ピリオディックモーションエラーには直接影響の無い工程ですが、この作業、納得のレベルは変化しております。もう150台以上やってるせいか、当初と比べ、正直、巧くなってます(苦笑

9-3 モーター取付

9-4 補強板、底板、プーリー、タイミングベルト取付

9-5 エージング (時間不定:最低二日間)
余談:妥協?納得できるスムーズな回転が得られるまで9-2に戻ります。

10 ピリオディックモーション検査
10-1 測定装置

10-2 データ解析
測定器から吐出されるホイール全周約2500サンプルの生データをグラフ化
Y軸は秒角の近似相対値

ちょっと見やすく

Y軸を秒角に

最初の300サンプル
見やすく
余談:測定器のSNが悪く、改良の余地がたっぷりあります。


11 ケース底、化粧パネル、光ファイバー取付


12 カバー上、ツマミ、雲台座 取付て・・・できあがり


13 ロットテスト
Higlasi-2は設計上1056000パルスで1回転します。
メカの確認のため、ロットが変わる毎に以下の方法でメカの狂いを確認してます。
Higlasiを水平に設置し、レーザーポインターを付けます。
3m離れた壁に照射しマークします。
1056000パルスで運転。
マークのズレを測定します。
一応、5mm以内は合格としてますが、ほとんどズレる事はありません。
5mmの根拠は
atan(5/3000) ≒350秒角 1分撮影の誤差は0.24秒角 Higlasiの仕様としては問題無い数値と判断しております。


Higlasi-2に関して、回路図、設計図、部品図等、ほとんど社外秘密はありません。
ソースファイルに関してはパンツの中を覗かれてるみたいで嫌なのですが、PICの開発環境をお持ちの方でしたら、実行ファイルは無償でご提供致します。




2014年12月18日木曜日

次機種!?

おかげさまで、ポタ赤を作り始めて来春で丸6年です。
お客様からいっぱいのご意見とアイデアを頂き、これまでの機種では実現できなかった、自分が欲しいポタ赤を還暦までには作ろうと・・・。
まだまだ、作りたい機能全てを実現できる内容ではありませんが、なんとか、発想のベースとなる、1枚目の絵が描けました。。
既に2枚目のアイデアもあり、しばらくは楽しいお絵描きです。。

とりあえず、Higlasi-2の基板を使い、イメージする部品を詰め込んだ・・そんな絵です。
剛性を上げるため、ウォームホイールを直接ベアリングで受け、シャフト径は20mm、フレームの板厚は最大8mmのジュラルミン製です。これで求める剛性(荷重4~5kg)と回転精度(偏心)が得られるかは不明ですが・・・・・。
三脚への固定は三箇所あります。
・ポタ赤として 赤経軸を35deg傾けた赤経位置
・赤緯ユニットとして水平の赤緯位置
・タイムラプス装置としての垂直位置
この構造をスペース効率良く実現するため、モーターはウォームホイールの裏側へ、動力伝達用ベルトとフレームの干渉を回避するため、アイドラーを設けてみました。。

この機種では積極的にPECを採用したいと考えております。
目標は±5秒角以下(測定器レベル)
問題は今使ってる測定器の精度ではとても無理で、測定器から作り直さなければなりません。。。

また、制御システムも大きく変えようと考えてます。
操作は通信コマンドで・・・つまり、パソコンや携帯端末からも操作できるような事もしたいと・・・。
問題は、僕には携帯端末アプリの設計経験がありません。
プロトコルはオープンしますので、だれか、作ってください(苦笑

お願い
Higlasiの購入を検討されているお客様、どうぞ、既存のHiglasiのご購入をお願い致します。次機種は最低限の経済性は考慮しますが、販売するとなれば、安価な製品にはならないと考えております。量産効果も期待できませんから、たぶん、6~7万円クラスになると考えております。。


2014年12月12日金曜日

Higlasi 2軸について・・・

Higlasi-2 + Higlasi-3 で2軸になるやん・・・
軽いノリで始めた表題の件ですが、ここに開発終息宣言を致します(汗汗
(お待ち頂いたお客様、、ごめんなさい)
とてもではありませんが、この発想からでは人様からお金を頂けるようなブツ(商品)になりそうにありません。僕の持っている eos60D + 70-200 くらいでしたら、それっぽく動き、自分の見たい方向にカメラを向ける事くらいでしたら、なんとかなるのですが・・・。(当初の目標)
お客様から頂いたご意見や要望、ネットの中で議論されてる内容を見る限り、作ろうとしている方向ではダメって確信しました。
赤緯ユニット試作品
試作を重ねているうちに、新しい発想が浮かび、今はそれを具象化したくてたまりません。
まだまだ、頭の中でイメージを膨らませている段階で、磁気データにすらなっておりません。
これから、時間をかけ、まぁ数十枚の絵を描き、CADに落とし、試作を数回・・・・
私の還暦までには何とかしたいのですが・・・・。。
このCAD、RAPID10はもう10年以上前に購入したブツで、ありがたい事に win8.1 でもそれっぽく動くものですから、もったいなくて新調できません・・・(余談

2014年12月3日水曜日

ひとりごと

相変わらず、バタバタでブログの更新もなかなか・・・(汗
今年は親父を見送り、なんだか、あっというまの12月、やりたい事いっぱい、やらなければならない事いっぱいの師走です。。

そろそろ来年の計画を立てなければならず、重い腰を上げ在庫の確認を・・・
Higlasi-2 で使用しているモーターの在庫が5個って事に気が付きました。
このモーターはネットの友人を通し、中国から輸入したものです。
まだまだ円が強かった頃に購入したもので、そこそこ安価だったのですが、NG品も少なくなく、円高メリットも無くなりつつありますから、在庫が無くなりしだい、ESエディションで使用しているオリエンタルモーター製(国産)に切り替えようと考えております。
また、Higlasiの心臓部、一番高価なウォームギヤを購入している業者さんからも値上げの連絡がありました。ありがちな、、今なら旧価格でってお知らせで・・・・仕方なく、来年の予想台数分は買っておこうと(えらい事です)考えてます。

まったく余談ですが、これは12/1現在のアクセス数の推移です。
極短なピークはブログのデザインを変えた時の誤動作で無視してください。
不思議なのは親父の具合が悪くなって行くに従いアクセス数が減り、見送ってっからまた増えてきました。偶然とは思うものの、何だかな~って感じです。
気になるポイントが後一つ、Higlasi-3A取説のページアクセスが妙に多いのです。
ご購入くださったお客様、疑問点があればどうぞご遠慮なく、お問い合わせください。
(bzk00100@nifty.com)

素人ですがこんな写真が撮れました・・・と、岐阜県のお客様からのお便り。。。
(初心者とは思えません)
ありがとうございます。

さ~て、あと一か月、きばって行きませう!!


ローストビーフ

お客様にお出しする時は 食中毒が怖いので、、少し多めの時間設定(55分)で 仕上げてきた ローストビーフ 二人で食べるにちょうど良い大きさの もも肉があったので 35分で焼きどめてみたら 安い肉の割に柔らかく美味しく仕上がった レシピは以下の通り・・・ 肉は塩胡椒(適当 香味野菜...