2011年7月9日土曜日

ピリオディックモーション測定治具_08

ロータリーエンコーダーが届いたので、早速、出力パルス間のバラツキを測定しました。
エンコーダーの仕様は720パルス品、分解能は0.5°(1800秒角)です。

方法
1.エンコーダーに偏芯の極力少ない比較的重いはずみ車を取付け、手で軽く回転を与える。(写真)
2.回転は徐々に遅くなり、出力パルスが2kHzに達したタイミングで、4MHzのクロックを計数する。
つまり0.5°1800秒角に対して2000パルスの定規で測る事と同じなので、エンコーダーのパルス間を0.9秒角の精度で測定できる事になるハズ・・。
3.720個のデータを測定する時間は約300msで本来なら指数関数的に減衰するハズですが、ここは直線的に減衰するとして、データを2kHz換算し、評価する(グラフ化)。

この方法で得た2回分のデータをZ相を0°としてグラフ化した。


Z相から180°と310°位置に大きく振れる部分はあるものの、出力パルス間のバラツキは概ね2秒角以内で、少し気持ちが悪いくらい正確な結果となりました。
これで、やっと、ピリオディックモーション検査治具を製作できる目処が立ったと思います。

設計を始めた頃はまだ、パソコンって呼べるモノも無く、得体のしれない8080の記事がトラ技ネタになったころで、そのころ、上と同じ事をするとすれば、恐らく、半年くらいはかかるだろうな~~と思いながら、そのころだと、ん千万円はするだろう、うん万円の開発装置で、便利な世の中になったモノだと・・・。

8 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

案ずるより生むが易しで良いエンコーダを使えば大丈夫だったということですね? おめでとうございます。
何百万パルスの何百万円もするエンコーダで「直読み」するのではなく、モーターへのパルスとの時間差で比較する方法はアイデアものでしょ?(笑)

ところで竜爺さんの7月1日のブログには、モーターのステップが秒角で示されているため分解能が直に分かって具体的な表ですが、天文屋は毎秒のパルス数のPPSで示します。そういう習慣なんです。それだと、
4.556秒角=3.3PPS
3.645秒角=4.1PPS
1.823秒角=8.2PPS
----となりますね。
私は急遽南半球に遠征したときに2PPS(これでも200mm望遠は大丈夫)を作ったことさえあり、このステップなら問題ありません。
しかし、オルゴール赤道儀にも望遠鏡を載せる人がいるので、このポタ赤に望遠鏡を載せる人、載せるのは当然、と思っている人は必ずいると思います。
表の分解能では望遠鏡だと星が2個見えると思います。「分解能が星野撮影用なので、望遠鏡登載は不可」と明記すべきです。
で、望遠鏡はPPSがれくらい細かいとOKかというと、メーカー品はたいてい24PPS(ビクセンなど)です。他メーカーで16PPSが出回ったときに、条件によっては高倍率の惑星面が霞んで見えたので、24PPSは下限と思います。もちろんマイクロステップはステップの節度が緩いので、もう少し粗くても大丈夫とは思いますが、望遠鏡の登載は無理なので「星野写真専用」と明記する必要はあると思います。

ちなみに24PPSの分解能は0.625秒角で15cm望遠鏡の分解能くらいですが、実際は途中のギヤなどがクッションになるのでスムーズに動きます。

竜爺 さんのコメント...

匿名さん
>・・・アイデアものでしょ?
疑問の余地はありません。
匿名さんにアイデアをいただけ無かったら、おそらく未だ悶々としてましたねきっと(苦笑

>天文屋は毎秒のパルス数・・・
へ~~、そうなんですか、ありがとうございます。

>・・・24PPSは下限と思います。
勉強になります。

明日から、治具作りです。。。

匿名 さんのコメント...

撮影用のポタ赤は10PPS以下と粗くてもOKだが、高倍率の望遠鏡用の赤道儀は最低24PPS欲しいと言うことです。私のテスト(各社がステッピングモーターを採用する以前の30年前)でも、それくらいなので、自分では念のために40PPS以上と決めています。

しかし、40PPS以上でも星がブレて見える赤道儀があります。それは極軸回転に粗いパルスが乗ってブレるのではなくて、モーターの振動が赤道儀に伝わって架台全体が共振するためです。そういうことがあるので「PPSは細かいほど良い」という、ちょと間違った考え方も出てくるのだと思います。
振動は回路の優劣やモーターの装着法でも変わります。マイクロステップ回路は「クニャッ、クニャッ」と回るので良い感じですが、普通の回路は「カチカチ」で、回路が下手だと「ガチガチ」と回りますからね。
ガチガチを防ぐには1ステップと半ステップを繰り返す1-2相砺磁も有効です。が、振動幅は1ステップに近くなるので要注意です。

私も以前に関わったとお話しした、パン焼きみたいな名称のポタ赤は20PPSです。普通の砺磁なら20PPSは及第点に近いですが、1-2相砺磁のためステップ幅が10PPS近くなるので、望遠鏡は登載できません。まぁ、初心者だと気が付かないとは思いますが。

竜爺 さんのコメント...

匿名さん、おはようございます。

>パン焼きみたいな名称のポタ赤は20PPSです。
少し前、7号機の設計を始めた頃、この情報をお聞きしたら、形が違っていたかも知れません(苦笑
最終仕様はまだ決定できておりませんが、現時点、200mmの撮影で3.3PPSと8.2PPSを比較した場合、材料費用差に合致する程の差は確認できないため、標準品は3.3PPSで行こうかな~って考えております。

匿名 さんのコメント...

>時点、200mmの撮影で3.3PPSと8.2PPSを
>比較した場合、材料費用差に合致する程
>の差は確認できないため、標準品は>3.3PPSで行こうか
3.3PPSで充分ですよ。つまり1/3秒露出の繰り返しになるので、300mmでも余裕でOKということになり、良いスペックだと思います。
ただ、しつこいようですが、赤道儀なら望遠鏡も載せられるのは当然!と思っている人も多いので、そのことはしっかりお断わりしておくべきです。
望遠鏡も載せるなら、24PPS以上必要なので、お使いのステッピングモーターを2倍の高分解能タイプにした上で、ギヤ比でもう3.5倍稼がないと24PPS以上にならないので手間がかかりますね。

恒星時が3.3PPSなら高速は、その気になれば数千倍速が可能なので、極望のセンター出しなどに便利に使えると思います。

竜爺 さんのコメント...

匿名さん おはようございます。

いろいろありがとうございます。

>極望のセンター出しなどに便利に使えると思います。

以前、ギアヘッドを設けたPM型モーターでも十分使用できる事を確認した事があります。そこでも書いたのですが、実は極軸ファインダーのセンター出しがしたくて、HB型モーターを選択しました。しかし、赤道儀を使ってるうちに極軸調整に、それほど神経を使わなくても良いかもな~って感じてた頃、匿名さんにご指摘され、計算上でも、5°の精度で十分と分かりました。ですから、ファインダーを付けなくても、極軸シャフトと並行なパイプでもOKだな~って考えております。ただ、板金フレームで、極軸シャフトと並行に精度1°以下でパイプを取り付ける事は以外と難しく、極軸シャフトを太くて、パイプにする事が最も理にかなってるかな~なんて、今はバリエーションとして考えております。(現状はファインダーと百均で入手可能なパイプ状のユニットを取付可能)

匿名 さんのコメント...

>以前、ギアヘッドを設けたPM型モーターでも
>十分使用できる事を確認した事があります。
>そこでも書いたのですが
そうなんですか。ネットの徘徊が苦手なので気が付きませんでした。
私はPM型モーターのギヤヘッドの上等なのを使います。
極軸を回してセンター出し→極軸設置を行なう手法は、100年以上も前から「カーチス写真法」というのがあります。一晩かけてセンター出しをする手法です。私のポタ赤は40倍速しか出ませんが、この手法をデジカメに用にした素早い方法を盛り込みます。今度ご説明しますね。
極望代わりのパイプは内面反射で想像以上にのぞきにくいです。内側を黒く塗ってものぞきにくいです。板金フレームなら、板金の上下に穴を開けただけの方が内面反射がないので快適にのぞけると思いますよ。
極軸設置がデジカメの短時間露出でラフでよくなったことは、天文ファンはなかなか分かってくれませんね。フィルム時代のトラウマだと思います。ペンタックスのO-GPS1(アストロトレーサー)は5度の精度しかないのだから、そういうことからでも理解して欲しいものです。
したがって、下げ振りと方位磁石を使えばO-GPS1よりもよほど高精度ですから、竜爺さんのポタ赤にもぜひ付けましょう!

竜爺 さんのコメント...

匿名さん

>この手法をデジカメに用にした素早い方法を盛り込みます。

楽しみです。

僕の方法は赤道儀を早送りしながら数枚撮影して、デジカメモニターを切り替え、動いてない場所をセンターとして極望を調整し・・・を数回すれば、合いますね。

>板金の上下に穴を開けただけの方が内面反射・・

そうなんです。
パイプだと見づらいので、最初、アルミのチャンネルにV溝と丸穴を開けて・・・も考えたのですが、これがけっこうお金も掛かるし、おまけの機能ですから、ん十円で済ませたいし・・で、現時点、百均4個入りの部品に、至っております。

>下げ振りと方位磁石・・・

35°傾斜のフレームですから、シンプルなデザインで検討してみます。