2011年7月21日木曜日

自己メモ(信頼性:低)

19日のブログ、Pモーションの周期が長くなる事について、匿名さんからコメントを頂きました。
なかなか難解で、非常に怪しいのですが、周期が変わる事を近似的な平面幾何?で考えてみました。

細かい事に目をつむり、赤道面を北極の遙か上空から宇宙全体を眺めているイメージです・・・。
A:赤道面上の星の軌道、B:赤道面のA:より東に少しずれた赤道儀に載せられたカメラのファインダーの軌道です。
ABの交点(真南)は露出開始点で、それぞれがθ回転した円上の点をabとします。
線分abはPモーションが重畳する軌跡で、Pモーションエラーがなければ直線となります。
線分ab長をθの関数で表すと真西をピークとしたサインカーブを描きます。
ですから、ピリオディックモーションは真西までは波長が長くなるハズです・・・。
その後、波長は短くなり、カメラに写る星の軌跡は露出開始点に戻って来る?・・・様な気がします。(冬場なら確かめられますね)

ですから、19日の問題はバグでは無さそうです・・・。



9 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

そういうことです!
この考え方を逆にすれば極軸設置の必要精度も分かります。
極軸設置が悪くても天空の場所によっては撮影可能なことも分かります。
下手に赤緯修正をすれば、日周運動方向にズレてしまうことも分かりますよね?

撮像素子上の流れを何ミクロンに定めるかで変わりますが、前にお話したように「最悪の天空」を撮影するとしても、±5度の設置精度で21mm広角を4分くらいは追尾できます。
オルゴール赤道儀は、極軸設置精度2度で50mmレンズを4分間追尾可能とアナウンスしています。
ですから、星座写真程度なら極軸設置は素通し穴で充分だし、下手な極望より下げ振りと方位磁石の方が安心なくらいです。
ペンタックスのアストロトレーサーの設置精度は±5度(21mm広角の精度)しかありませんが、もっと精度良く設置できることもあるだろうし「最良の天空」を撮影することもあるだろうから、望遠レンズでも流れないことがあるわけです。

星野写真は、根性と経験の世界なので趣味的には楽しいですが、理論付けや計算を忘れてしまっています。
写真は正直だから、計算でほとんど予測がつくんですけどねぇ。
ネットなどに書かれている「極軸設置が精密ならもっと追尾できただろう」とか「○○mmの追尾成功率○%だからけっこう優秀」なんていうのは、初心者というか、経験だけに頼っている人たちの感想でしょうね。
追尾不良の原因のほとんどはギヤの精度不足です。それでなければ架台のどこかがたわんでいるはずです。
しっかり理論付けしないとポータブル赤道儀(撮影用赤道儀)に進化はありません。

竜爺 さんのコメント...

匿名さん だいぶ暑さが戻ってきました。

>下手に赤緯修正をすれば、日周運動方向に >ズレてしまうことも分かりますよね?

極軸が例えば10°南北にズレているとすれば、真南赤道面上の星を撮ってるつもりでいても、カメラの回転面は赤道面より10°傾いているので、星の軌跡は真西に沈むまでに、この10°を吸収する方向にズレる・・・って事でしょうか?

竜爺 さんのコメント...

上が合ってるとすれば、南北に10°ずれても、撮影に影響するエラーは100秒角/分くらいですか?

匿名 さんのコメント...

極軸に南北(上下)10度のズレがあれば最悪の場合(の撮影方向)で、エラーは160秒角くらいではないでしょうか?
最悪の場合というのは、ズレの方向と実際の極軸の方向が90度ズレていると言うことです。方向としては東北天か西北天の空域ですね。

極軸が南北にズレていて、東西は合っていた場合、真南の赤道上の星を写すと、最初のうちは赤緯はほとんどズレなくて(赤経方向に少しズレる)、だんだん西に動いて行くと、極軸の南北のズレの成分の影響がだんだん強くなって、赤緯のズレが大きくなります。
もし、極軸が東西にも都合の良い量だけずれていたら、うまい具合に相殺する場合もあり得ます。
様々な成分を加味すると、非常に難解になってしまいます。
そういうわけで、精度の悪い赤道儀でも、たま~に長い望遠レンズを追尾できることがあります。それが、「成功率○%」という経験になって現われるのだと思います。

なお、エラーの量については、「秒角」で示すべきか「撮像素子上の移動量で示す」(と同時に許容範囲も)べきか、ルールを決めた方が良いですね。普通なら業界の大御所が鳩首会談で決めるのでしょうけど。

竜爺 さんのコメント...

匿名さん おはようございます。

160秒角ですか?
僕の頭ではいよいよ分からなくなって来ました(苦笑
>ズレの方向と実際の極軸の方向が90度ズレていると言うことです。方向としては東北天か西北天の空域ですね。
この意味がどうもよくわかりませんでした。なぜ90度ズレて、東北天や西北天なのですか?

匿名 さんのコメント...

東北大学の大学院生が書いた論文がネットにあります。
ちゃんとした解説は、ネット上ではこれだけみたいです。
www.astr.tohoku.ac.jp/~h-okita/research/airt40/error/track_obs.pdf

極軸設置誤差の追尾エラーへの反映は、導入誤差の考え方と同じです。
星野写真撮影時に、露出をどんどん長くして行くと、ズレの最大値は極軸のずれの時角と90度ずれた時角の天の赤道上の天体を追尾したときに得られる値ですよね?
すなわち21600秒(6時間 90度)で最大です。

竜爺 さんのコメント...

匿名さん

なんだか、サッパリ分からなくなって来ました。すみません(苦笑
なかなか文字で表現する事に疎いのですが、私は以下の様に考えました。
赤道儀の極軸は東西のズレは無く、北側に10°ズレていたとします。
観測者は便宜上、赤道上として、真上の星を撮影します。ですから、赤道儀の回転面は真上では10°傾き、真西で赤道面と交差します。
ですから、10°のズレは真西でゼロになります。言い換えると6時間で10°の変化です。実際にはこの変化は直線的では無いでしょうが、直線と考えれば、得意のざっくりで 10°÷360分×3600=100秒角 くらいかな~って考えました・・・。(粗すぎました)
・・で、実際はたぶん1:9の楕円を描く様な気がするのですが、楕円だとして、最悪は真西直前で、895秒角/分。撮影開始時点はほぼゼロ、中間点(南西位置)で7秒角/分・・の計算値を得ました。
ですから、星景写真を撮る場合、極軸南北のズレはあまり気にしなくても良いって事ですね。。。

匿名 さんのコメント...

はい、そういうことです。
球面幾何学で計算すると、竜爺さんの計算とは少し異なるのだと思います。なにぶんにも私の計算は何年も前のことで、悪い頭で今やり直すとなると大変なので(笑)「最悪の状況」の数値だけを暗記しています。

子午線の0度付近(真南)を撮影する場合は、短時間なら極軸の南北のズレなんて関係ないんですよ!
だから、経緯台をだいたいの見当で(傾けられるだけ)傾けても、真南なら追尾はできるんです(ただし南北のズレが大きいと写野は回転します)。こういう理屈をきちんと検証しておかなかったから、極軸設置や極望の精度の認識が曖昧なままモノ作りをしてしまう事態になってしまうんです。パターンの間違った極望が横行しても気が付かないとか、追尾ミスを極軸設置のせいにしてしまう人が多いんですよね(苦笑)

本格的な(ていうか普通の)赤道儀を人力やオートガイダーで修正するなら、極軸設置や追尾精度を検証しなくても結果的に撮影はできます。
しかし、撮影用のポタ赤は計算に基づいて、ちゃんと作る必要があると私は考えています。この考えに竜爺さんは賛同していただけると思い、情報交換をさせていただいている次第です。

ポタ赤の現実は「貧乏人の自作赤道儀」が祖先なので「追尾できただけで楽しいじゃないか」で進歩がありません(これはこれで楽しいですが)。フィルム時代は露出が長すぎてメーカー品でもポタ赤は「結果がアテにならない半人前の機材」だったので、そのままの流れで今日にいたっています。
計算に基づいて設計し、Pモーションを測定して出荷するなど、撮影結果を保証した、一人前のポタ赤を作ることが急務と思います。
精度的には難しいことではありません。オルゴール赤道儀でも100mm以下ならまったく問題なく使えるんですから。

竜爺 さんのコメント...

匿名さん

>球面幾何学で計算すると、竜爺さんの計算とは少し異なるのだと思います。

・・・だと思います。。

>竜爺さんは賛同していただけると思い、情報交換をさせていただいている次第です。

・・・勉強させて頂いてます。
これからも、宜しくお願い致します。